左:米林さん 中央:山﨑デジタル業務推進室室長 右:森山さん

YKKビジネスサポートでは2018年度新規付加価値サービスに挑戦する「RPA開発チーム」を設立しました。
2021年度よりデジタル業務推進室としてRPA含めた総合サービスを提供することでYKKグループ内の無理・無駄・過剰を排除し、会社/従業員が働き方変革・意識変革できるようにデジタル業務の展開・定着を加速・推進しています。こういった新たなサービスをYKKグループ全体へ提供することとなった背景や活動の原動力をデジタル業務推進室メンバーへインタビューしました。

◆「RPA(Robotic Process Automaitionの略称 以下RPA)」に着目し、導入へ至った背景を教えてください。

山﨑:

BSIでは経理人事保険の業務をグループから受託し、業務改善を通じて管理コスト削減に努めています。はじめは自社の改善ツールとしてRPAに着目しました。そこで一定の成果を発揮し、更なるグループ貢献としてRPA開発を新規サービスとして展開しました。
米林:
RPAというのは、デジタルレイバーという人間の代わりに働くことができるロボットのようなもの。
24時間365日稼働が可能で、RPAへ代替することで生産性向上につながります。
森山:
たしかにそうですね。ただ、RPAの魅力は定量的な面だけではありません。ヒューマンエラーの削減など正確性向上にも寄与します。
また、属人化業務の担当変更といった労務リスク回避にもRPAは活用できます。
山﨑:
日本では2015年からの10年間に約500万人の生産年齢人口が減少するといわれます。労働力不足を要因とした日本の国際競争力低下はまさに社会問題。RPAはこうした社会問題解決への一助を担うといった点でも非常に社会的意義があると感じています。

◆RPA開発をBSIで行うにあたり従来のナレッジがどのように生かされたかを教えてください。

米林:

私は元々人事の実務を担当していたのですが、RPA開発はYKKで使用されるソフトウェアや既存システムの活用がほとんどです。私のように実務における業務知識や経験があることで、業務側の視点を改善に活かし、より迅速かつ的確に対応することできます。
例えば、人事で労務管理におけるRPAを開発したことがあります。諸々の要件をまとめる上で、意識したのは標準化です。どこの部署でも使い勝手の良いものとなるよう心掛けることができたのはこれまでの実務経験が活かされたと感じています。
山﨑:
米林さんのように『ユーザービリティ』を意識できることは私たちの最大の強みだと思っています。実際にシステムを使用する側の視点に立てるのもシステムがどのように使われているか一番よく理解しているBSIだからです。
森山:
私は経理の実務担当でしたが、今は製造部門や営業部門のRPA開発をメインで行っており、まだ経理系のRPA開発に携わってないです。ただ、職場とのコミュニケーションを大切にしながら、課題解決につなげるといった点は経理での改善活動の経験が活かされていると感じます。単純な業務のやり取りでは捉えることのできない潜在的なニーズも相手をしっかり理解し引き出すことでさらに付加価値の高いものが提案できる点はデジタルの分野でも一緒です。

山﨑:
森山さんはしっかりやり切るといった仕事への向き合い方や、相手に対して真摯に向き合う姿勢がとても頼もしい存在なんです。
米林さんもそう。同じグループ会社でも時に無茶なご要望をいただくこともある。それでも逃げずに相手と向き合い、先方の意向を汲み取り提案してくれている。
やはり当初からデジタル業務推進室でシステムを組むことから始めたからでなく、当たり前のことだけど、人事や経理で教わったグループ各社の皆さんとともに継続的に課題解決を行う姿勢が今まさに活かされていると感じますね。

◆RPAチーム立ち上げ時の苦労があれば教えてください。

米林:
立ち上げ時は6名のメンバーで「RPAって何?」から始まった。日々メンバーとともにトライアンドエラーを繰り返し、知識を身につけ、0から1を作り上げる難しさ・面白さを学んだと記憶しています。また、グループへ展開を始めた当初は職場では「仕事が奪われる」といった懸念もあったと思います。何度も職場説明会を行い、まずは職場から理解いただくことが導入時最も大変だったのだと思います。
山﨑:
今はグループの中でもBSIのRPA開発は浸透したと感じています。6名でスタートしたチームですが、現在10名、来年にはさらに増員を予定しています。BSIでこれだけスピーディーにデジタル推進を図れたのは経理人事保険といった業務がベースにあって、会社全体でデジタル推進に取り組んだからだと思っています。

◆デジタル業務推進室の今後の展望を教えてください。

山﨑:
これまで走りながらデジタル業務の推進を図ってきましたが、今後はRPA×AI、RPA×BIツール、RPA×ペーパーレスといったデジタルツールの組み合わせでより付加価値の高いサービスを提供していきたいと思っています。将来的にRPAを継続するとは思っていません。これからもRPAだけでなく業務改善のツール活用をYKKグループ先導し行っていきます。
また日本で培った技術を世界72か国/地域にグローバル展開していきます。実は今も担当者は英国・韓国・中国とやり取りしたり、各国の言語に合わせたマニュアル作成も始めているんですよ。
米林:
私は地元富山からグローバルに活躍できる人材へ成長していきたいと思っています。さらに技術を身につけ、今後は山﨑さんがいう海外分野への展開も一役を担っていきたい。業務範囲の拡大はお客様からの要望も多岐にわたる。今まで以上に幅広い知識はもちろん、また時代に合ったツールを活用し、より良い提案ができるよう努めていきたいです。
森山:
私は基本面倒くさがりなんです。だからこそ経理の仕事をしていた時も単純な作業を効率化できたとき、とても達成感を感じていました。デジタル推進はこうした達成感にプラスして仲間から感謝される仕事ですね。とてもやりがいを感じます。
日々新たなデジタルツールが出てきますので、毎日吸収するのに必死です。でも、ふと振り返ったときに成長した自分の姿を感じ取れるようこれからも継続的に努力したいと思っています。

デジタル業務推進室の皆さま貴重お話を有難うございました。